タンパク質の代謝
アミノ酸やペプチドになって吸収され、肝臓から各組織へ送られて、体のタンパク質につくり替えられます。
●タンパク質の立体構造が消化酵素によって分解
★胃液と膵液で段階的に分解
タンパク質は、まず胃液の消化酵素ペプシンでペプチド結合が切断され、立体構造から鎖状のポリペプチドになります。
ポリペプチドが十二指腸に送られると、膵液中のトリプシン・キモトリプシン・カルボキシペプチダーゼといったタンパク分解酵素の働きによって、各種アミノ酸や小さなペプチド類になります。
その後、小腸吸収上皮細胞の微絨毛膜から取り込まれる過程で、最終的にアミノ酸となって吸収されます。
●タンパク質の新旧安代とアミノ酸の行方
★タンパク質の分解と合成
吸収されたアミノ酸は肝臓に運ばれ、血液を経て各組織へ送られます。
組織の細胞では、筋肉やつめなどになる新しいタンパク質がアミノ酸からつくられ、同時に同量の古いタンパク質が分解されて血液に出されます。
分解物の75~80%は肝臓でまた新しいアミノ酸につくり替えられて血液中に出ていきます。
各組織では、アミノ酸から酵素やホルモン、神経伝達物質などの材料になるタンパク質もつくられています。
★アミノ酸はブドウ糖にも変化
不要になったアミノ酸からは窒素化合物の有毒なアンモニアが肝臓で遊離されますが、すぐに無毒な尿素にされて、尿として体の外へ排泄されます。
窒素が除かれたあとのアミノ酸はエネルギー源になったり、ブドウ糖や脂質に変化します。
血糖が不足するときにはブドウ糖になって血糖を補う役目をします。
アミノ酸は感情の材料になる?
人間の感情は、外部刺激などを神経伝達物質が脳に伝えることによっても生まれます。
神経伝達物質はアミノ酸からつくられます。
たとえば、おだやかな気持ちをつくる神経伝達物質セ口卜ニンは、卜リプトファンというアミノ酸からつくられます。
トリプトファンは体内て、つくることのできないアミノ酸で、食べ物からとらなければなりません。
おだやかな気持ちになるには、食べ物も重要な働きをするのです。
★タンパク質の合成と分解のしくみ
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