ビタミンの代謝
ビタミンは肝臓から血液を経て組織へ行き、栄養素がエネルギーになる手助けをしたり、体の機能を補助します。
●水溶性ビタミンの体内での働き
★ビタミンB群とビタミンC
消化液や血液に溶けるビタミンを水溶性ビタミンといい、B群とCがあります。
これらは小腸から吸収されて肝臓に運ばれ、各組織で利用されます。
★体内の化学反応に関与
ビタミンB群は酵素の手助けをします。
酵素の中には、それ自身では働かなくても、ビタミンB群と結合することで初めて活性化するものがあります。
ビタミンCは酸化型と還元型の2つのタイプで体内に存在し、酸化型になりやすい性質があります。
この性質は他の物質を還元する力になります。
たとえば、消化液に溶けない酸化型の鉄を還元しますが、還元された鉄は消化液に溶けやすくなり、小腸からの吸収が高まります。
●脂溶性ビタミンの体内での働き
★脂質とともに吸収される
脂溶性ビタミン(A・D・E・K)は、脂質とともにカイミクロンになって肝臓に運ばれます。
★体の働きを助ける
ビタミンAは肝臓で脂肪酸と結合して貯蔵されます。
必要に応じてタンパク質と結合して体内に運ばれ、細胞にとり込まれ、成長促進や粘膜維持に関与します。
ビタミンDは肝臓でコレステロールからも合成されます。
カルシウムの吸収を促す作用があります。
ビタミンEはリポタンパク質によって各組織の細胞に運ばれ、細胞膜の酸化を防いだりします。
ビタミンKは、大腸で腸内細菌からもつくられ、血液凝固などに関与しています。
体内に蓄積できるビタミン、できないビタミン
脂溶性ビタミン(A・D・E・K)には蓄積性があります。
このうち、ビタミンAとDについては、たとえばサプリメントなどを大量にとり続けると、過剰症を引き起こすことが報告されています。
水溶性ビタミン(B群・C)には蓄積性がなく、一定量以上のものは尿中に排泄されます。
一方、脂溶性ビタミンも水溶性ビタミンも、摂取不足はさまざまな欠乏症を引き起こします。
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