- ビタミンeの効果と血行(冷え性改善)の関係を正しく理解
- 赤血球は血液として説明します。血液(blood)とは(学術向上予備知識編)
- 溶血(hemolysis)とは(学術向上予備知識編)
- 溶血反応は抗原抗体反応で説明します。抗原抗体反応(antigen-antibody reaction)とは(学術向上予備知識編)
- 〔反応型の種類〕
- 〔抗原や抗体の同定・定量法〕
ビタミンeの効果と血行(冷え性改善)の関係を正しく理解
ビタミンeとは
強い抗酸化力を持つビタミン。
細胞の老化を防ぐこちから、生活習慣病の予防効果が期待されています。
ビタミンeの生理作用
細胞膜の酸化を抑え体のサビつきを防ぐ
過酸化脂質の生成をストップ
ビタミンeは、広く細胞膜に存在しています。
細胞膜を構成するリン脂質には不飽和脂肪酸が多く含まれ、これが酸化すると過酸化脂質が生じ、細胞が傷ついて老化が進行します。
ビタミンeは、強い抗酸化作用を持っているので、有害な過酸化脂質の生成を防ぎ、細胞の老化を防いでくれます。
また、血液中のLDLコレステロールの酸化を防ぐ働きもあるので、動脈硬化の予防が期待されています。
血行をよくして冷え症を改善
ビタミンeには、末梢血管をひろげ、血行をよくする働きもあることから、血行障害によって生じる肩こりや頭痛、冷え症などの改善効果が期待されています。
ビタミンeが過剰になると
過剰症は起きにくい。
ビタミンeは脂溶性ビタミンの一種ですが、健康人では比較的に過剰症は認められません。
しかし、過剰に摂り続けていると軽度の肝障害を起こすといった報告もあるので、長期間摂り過ぎるのはよくありません。
ビタミンeが不足すると
赤血球膜が弱まり溶血することもあります。
ビタミンeが不足すると血液中のビタミンe濃度が低下し、細胞膜の脂質が酸化され、未熟児や乳幼児などは赤血球膜の抵抗性が弱り、溶血性貧血を起こすことがあります。
ビタミンe欠之により、動物では、不妊症や筋肉の萎縮が、人の場合は、ごくまれに感覚障害や神経症状が起こります。
ストレスの多い野菜ほど抗酸化成分が多くなります
寒さに当てたほうれん草は、ビタミン含量量が多くなります。
ほうれん草の栄養成分(生100g当たり)
ハウス栽培のほうれん草を収穫前に外気に当てるとビタミンeなどが増えたり、土の中で越冬させたにんじんや寒さに強い品種ではビタミンe含有量が多いという報告があります。
植物でも、紫外線や寒さなどのストレスによって酸化現象が起こるため、抗酸化パワーのあるビタミンeやC、カロテンなどを自力で増やし、外界ストレスに対抗しているのです。
ビタミンeまとめ
化学名・別名:トコフェロール
性質:淡黄色、粘性油状、脂溶性、非常に酸化されやすい
生理作用:細胞膜を健全に保つ、過酸化指質を防く、老化予防、赤血球の溶血を防ぐ
とり過ぎた場合:過剰症は起きにくい
不足した場合:赤血球の溶血、神経障害
1日の摂取基準:成人男性 7,0㎎ 成人女性 6,5㎎ 男女上限 650~900㎎
ビタミンeの上手なとり方
ビタミンC、B2、β-カロテンなどと一緒にとると、抗酸化力が高まります。
ビタミンCと一緒とると、ビタミンeの抗酸化作用がアップします。
また、β-カロテンやビタミンB2、セレンなどもそれぞれ抗酸化力を持っているので、あわせてとるとなお効果的です。
ビタミンeは、植物油に豊富に含まれていますが、古くなったり加熱すると酸化が進むので、早めに使いきることが大切です。
ビタミンeの1日摂取基準
ビタミンeを多く含む食品
種実類、植物油、魚介類、かぼちゃなどに多く含まれる。
ビタミンe(vitamin E,tocopherols)とは(学術向上予備知識編)
〔ビタミンeの歴史〕
カゼイン、デンプン、ラード、バター、イーストを飼料として飼ったシロネズミは、雌雄ともに出産能力を失いますが、植物油を混ずると回復することが発見されました。
その有効成分は、1936年に小麦杯芽油の不鹸化物質中から抽出され、α-トコフェロールと命名され、1938年に合成が成功しました。
図:ビタミンe
〔ビタミンeの生理作用〕
ビタミンeは細胞膜に広く分布し、その構成分である高度不飽和脂肪酸の非酵素的酸化を防止しています。
この酸化反応が進むと色素を生じ細胞は損傷を受けることになりますが、そのような変化はビタミンe欠の動物、老化した動物に認められます。
そのようなことから、ビタミンeは細胞の老化防止に役立っていると考えられています。
赤血球は血液として説明します。血液(blood)とは(学術向上予備知識編)
〔血液の生理作用〕
血液は全身の血管系内を循環する流動性の組織であって、内部環境を恒常に保つうえに重要な働きをしています。
そのおもなものを挙げます。
1)肺から酸素を、消化器から栄養素を、内分泌腺からホルモンを全身の組織細胞に運搬します。
2)組織で産生された代謝産物を排泄器(肺、腎など)に運搬します。
3)体内に分布する化学受容器に適刺激を与えます。
4)水や塩類の移送によって全身の体液の浸透圧およびpHを調節します。
5)体熱を運んで体温の均一化に役立ちます。
6)白血球や免疫物質は生体の防御に役立ちます。
〔血液の成分〕
血液の80%は水分であり、比重は1.06,pH7.4です。
全血液量は体重の約7%を占め、その約45%は血球成分であり、55%は液状成分、すなわち血漿です。
血球成分の大部分は赤血球であり、残りは白血球と血小板です。
血漿の約91%は水分であり、残りはタンパク質および少量の固形物です。
血球、および血漿の成分および働きについてはそれぞれの頃を参照されたい
溶血(hemolysis)とは(学術向上予備知識編)
〔溶血の定義と機序〕
赤血球がこわれて内容物であるヘモグロビンが赤血球外に出る現象をいいます。
人の赤血球は骨髄で産生されて流血中に入り、約120日の寿命を終えて死滅崩壊します。
すなわち溶血をおこしますが、崩壊は主として脾などの網内系細胞マクロファージ内でおこります。
老化赤血球は赤血球膜面の変化を生じ、この変化がマクロファージにより認識され、貪食され、赤血球の崩壊はマクロファージの細胞内でおこるので、これを血管外溶血とよびます。
これに対して病的な過程で赤血球が流血中でこわれるのを血管内溶血とよびます。
〔溶血性貧血〕
なんらかの機序によって赤血球の寿命が短縮し、 崩壊速度が亢進すると貧血を生じます。
この貧血を溶血性貧血といいます。
溶血性貧血にはいろいろの原因があり、先天的・逃伝的な要因による先天性溶血性貧血と、免疫学的ないし機械的な機序が後天的に生じておこる、後天性溶血性貧血とにわけられます。
補体が作用する発作性寒冷ヘモグロビン尿症や、発作性夜間ヘモグロビン尿症のような特殊な溶血性貧血は、血管内溶血の機序によりヘモグロビン尿をおこしますが、大部分の溶血性貧血の溶血の機序は血管外溶血です。
〔溶血性貧血と黄疸〕
溶血性貧血では大量のヘモグロビンが崩壊処理されることになり、ヘムからは鉄とビリルビンが生じ、鉄は再び骨髄に運ばれて造血に使われます。
血清中のビリルビン上昇により黄疸を生ずるので、溶血性貧血は一名(溶血性黄疸)ともいわれています。
ビリルビンは肝を経て胆汁中に排泄されるので、溶血性貧血が長く続くと胆石症(ビリルビン結石による)を生じやすいです。
ヘモグロビンはヘムとグロビンになりますが、グロビンは分解されてアミノ酸となり、体内のアミノ酸プールに入り、再び利用されます。
〔貧血と代償〕
溶血性貧血では赤血球崩壊速度がたかまって貧血がおこりますが、 一方で貧血を代償する機序がはたらき、骨髄での赤血球産生がたかまります。
したがって骨髄では赤芽球(赤血球の母細胞)の強い増殖がみられ、流血中では幼若な赤血球である網赤血球が増加します。
重症の先天性溶血性貧血では骨の成長期に骨髄造血巣が増大するために、頭蓋骨の骨幅の増大を生じたり、まれに長管骨の病的骨折をみることがあります。
溶血性貧血は造血に必要な物質で体内に不足しがちなものを補う必要があります。
鉄分は血管内溶血でヘモグロビン尿をおこし体外に鉄が排泄され、1部の溶血性が長く続くと胆石症(ビリルビン結石による)を生じやすいヘモグロビンはヘムとグロビンになりますが、グロビンは分解されてアミノ酸となり、体内のアミノ酸プールに入り、再び利用されます。
赤芽球産生が盛んなときは腸管からの鉄の吸収率は正常時よりも高いので、とくに鉄分に富んだ食事を配慮する要はないです。
溶血性貧血で造血に必要な物質で不足しがちなのは葉酸であるので、葉酸に富んだ食事の供給がのぞましいです。
溶血反応は抗原抗体反応で説明します。抗原抗体反応(antigen-antibody reaction)とは(学術向上予備知識編)
抗原物質の抗原決定基(エピトープともいいます)とそれに対する抗体との結合反応をいいます。
抗原決定基と抗体の結合は数秒で生じますが、大多数の抗原は復数の決定基をもち、抗体がこれら決定基間に架橋して、より大きな集合体をつくります。
この段階には数時間から数日を要します。
図:抗原抗体反応
〔反応型の種類〕
試験管内で見られる抗原抗体反応は抗原の性状、補体の関与などで反応型を分けることができ
ます。
沈降反応とは:沈降反応は抗体の結合による可溶性抗原の沈降物形成です。
凝集反応とは:凝集反応は抗体による粒子状抗原の凝集塊の形成です。
補体結合反応とは:補体結合反応は抗原抗体結合物による活性化に伴った補体活性の消費をみる反応です。
免疫粘着反応とは:免疫粘着反応は抗原抗体補体結合物による人赤血球の凝集反応です。
溶血反応とは:溶血反応は抗体を結合したく感作赤血球が補体の作用によって溶血する反応です。
細胞障害反応とは:細胞障害反応はリンパ球などの有核細胞が溶血反応と同様に抗体と補体の作用で破壊される反応です。
溶菌反応とは:溶菌反応は細菌が抗体と補体の作用で溶解する反応です。
中和反応とは:中和反応はウイルスの細胞に対する感染を阻止する反応です。
これら各型の抗原抗体反応は、いずれも生体内でもおこっており、細菌、ウイルス感染に対する防禦や菌体外毒素の中和(毒素抗毒素反応)に働いています。
しかし一方ではこれらの抗原抗体反応にもとづく過敏症反応も認められ、アナフィラキシーや即時型アレルギーとよばれています。
ぜんそく、じんま疹、腸管アレルギー、鼻炎(以上アナフィラキシー)、溶血性貧血、再生不良性貧血、血小板減小症、血清病、糸球体腎炎、SLEなどがこれに含まれます。
〔抗原や抗体の同定・定量法〕
寒天(またはアガロース)ゲル内での沈降反応に基づくゲル内二重拡散法、電気泳動手技を加味した数種の免疫電気泳動法(同定法)や単純放射免疫拡散法(定量法)の開発によって、抗原あるいは抗体の同定、定量が容易に実施されるようになりました。
またラジオアイソトープを標識した抗原または抗体を使用して鋭敏に抗原や、抗体を定量するラジオインムノアッセイやアイソ卜ープの代わりに酵素を標識した抗体も利用されます。
一方、蛍光物質を標識した抗体を用いて組織内や細胞膜、細胞質内の抗原の局在を知る、蛍光抗体法は広く利用されています。
ビタミンeを多く含む杯芽油(germ oil)とは(学術向上予備知識編)
小麦、米、トウモロコシなど穀類の胚芽から分離した油を胚芽油とよんでいます。
この中で小麦胚芽油からはじめてビタミンeの存在が知られたのが有名であり、一般にこの油にはビタミンEを多く含んでいます。
小麦胚芽油では、ことにビタミンe同族体の内でもβ-トコフェロールを含んでいる点が特異的であり、米にはα-トコフェロールおよびγ-卜コフェロールが多く、β-トコフェロールはほとんど含まれていません。
ビタミンeと筋疾患の関係は、筋疾患で説明します。筋疾患(muscular disease)とは(学術向上予備知識編)
筋肉の分類
筋組織は筋細胞(筋線維ともいう)でつくられている筋細胞聞には結合組織があり、その中を血管や神経が通る筋組織はその機能や構造の面から次の3種に分類されるます。
骨格筋(skeletal muscle)
脳脊髄神経の支配をうけて随意的に収縮します。
細胞質にはその構造の面からみて横紋が存在するので、横紋筋ともよばれています。
平滑筋(smooth muscle)
内臓や血管壁などにあり、自律神経の支配をうけ、不随意に収縮します。
細胞質に横紋は存在しません。
心筋(cardiac muscle)
心臓の筋層をつくる組織であり、自律神経の支配をうけ、不随意に収縮します。
筋細胞は互に端と端とで結びついており、その結合部を通して興奮が細胞聞に伝えられるため、心筋組織は全体として同時に収縮できます。
筋疾患
一般に筋肉とよぶときには骨格筋を指します。
筋の運動を支配する神経細胞は大脳皮質の運動領にあり、そこから出る神経線維は脊髄または延髄にある運動神経細胞に分布し、この運動神経細胞はさらに神経線維を筋肉におくっています。
このような神経系統におこる病気には、筋萎縮性側索硬化症があり、末梢性の運動神経がおかされると神経性進行性筋萎縮症となります。
一方、筋肉自体に病変がおこるものとして、重症筋無力症、進行性筋ジストロフィー症や多発性筋炎などが知られています。
〔筋萎縮症〕(muscular atrophy)
筋萎縮の原因と分類
神経の病気から二次的におこるもの
筋肉自身の病気によっておこるもの(ミオパチーとよぶ)
上記の二つがあります。
中枢神経の病気でも、麻痺した手足を動かさないと、廃用萎縮といって筋肉が萎縮してきます。
一方、脊髄の前角細胞より末梢の運動神経に障害があれば、筋萎縮は著明となります。
たとえば、ポリオや筋萎縮性側索硬化症は、いろいろの原因による末梢神経麻痺がみられます。
脊髄の前角細胞に病変があると、萎縮筋がこまかくピクピク動いているのが見られます。
これを繊維束性攣縮とよびます。
筋委縮の症状
神経に病気があって、筋が萎縮するときは、手足の先の方の筋肉がより強く萎縮します。
一方、筋自身の病気で、筋肉の萎縮がおこるときは、体幹に近い肩や大腿の筋肉に萎縮の目立つ傾向があります。
この型の筋萎絡は、進行性筋ジストロフィー症や筋炎などでみられます。
筋委縮の診断
萎縮の原因が神経にあるのか、筋自体にあるのかは、筋電図や筋生検を行えば診断は確実です。
〔重症筋無力症〕(myasthenia gravis)
重症筋無力症の病因
運動を繰り返すと、使用した随意筋(骨格筋)の筋力が次第に低下し、休息すると筋力が回復するのを特徴とする疾患です。
つまり筋肉が極端に疲れやすい状態です。
病変は神経筋接合部、ことに神経末梢におけるアセチルコリンの分泌異常によると考えられています。
近年、本症には胸腺異常がみとめられる点が重視され、自己免疫疾患であろうと考えられています。
また、胸腺から特異な物質が分泌するとの考えもあります。
重症筋無力症の症状
小児から高齢者まで罹患しますが、20~40歳の女性に多いです。
新生児にみられる一過性のものもあります。
罹患部位は眼筋、顔面筋、口蓋、嚥下筋のように始終動いている筋肉の他、全身の筋を侵します。
眼筋だけに限局する型もあります。
この場合朝のうちはまぶたがパッチリしているのに、夕方になるとまぶたが上らず、物をみるのにじゃまになります。
胸線腫の合併は20%にみられます。
また、臨床的に明らかでなくても胸腺の異常は大多数の例にみとめられます。
重症筋無力症の治療
抗コリンエステラーゼ剤によって筋力の低下はある程度調節できます。
胸腺摘出術が有効なこともあります。
とくに胸腺腫を伴った女性例に効果があるとされています。
重症筋無力症の予後
かつては悪いとされていましたが、現在では死亡率はあまり高くありません。
死因は感冒やその他の因子が誘因となっておこる急性増悪クリーゼによるものが多いです。
〔進行性筋ジストロフィー症〕(progressive muscular dystrophy,PMD)
進行性筋ジストロフィーの病因
主として小児期におこり、骨格筋の進行性萎縮と筋力低下を主徴とする遺伝性、家族性、原発性の筋変性疾患である原因は現在のところ不明です。
人口10万人に対して約4人の割であるといわれています。
進行性筋ジストロフィーの病理学的所見
筋組織がこわれて、脂肪、線維組織で置換されているため、肉眼的には黄色または桃色がかった灰色にみえます。
顕微鏡的には筋線維の消失、大小不同、脂肪、結合組織の増殖、筋鞘核の増加などがみられます。
進行性筋ジストロフィーの分類
臨床上次の6型にわけられます。
(1)仮性肥大型(pudohypertrophic type)いわゆるデュシャンヌ型(Duchenne type)
(2)肢帯型(limb girdle type)
(3)顔面肩甲上腕型(facio-scap-ulo-humeral type)
(4)先天型(congenital type)
(5)末梢型(distal type,Gowers)
(6)眼筋型(oclar type)
進行性筋ジストロフィーの症状
素因をもった健康な母親から男の子に伝わり発病します。
患者はすべて男子です。
上記分類の中でデュシャンヌ型が多くみられるのも特徴です。
この型について説明すると、筋力低下がおもな症状ですが、手足の末端よりも主として肩や腰などの筋がほぼ左右対称的に侵されます。
子どもが歩行が下手になり、階段があがりにくくなり、三輪車をこげなくなります。
肩胛帯がおかされると、腕を頭より高くあげられなくなります。
腰帯がおかされると、動揺性歩行となります。
また患者を寝た位置から立ちあがらせると、まず腹ばいになり、手足で体を支え、次に手をひざにおき、だんだん手を大腿部を上へよじのぼるようにして、ようやく直立します。
上記の病型によって筋力低下の部位や順序は多様です。
進行性筋ジストロフィーの診断
上記の症状以外に、筋電図による検査や筋生検が参考になります。
また、発病初期には血清クレアチンホスホキナーゼの値が高く、症状のかるいときにも診断の役に立ちます。
進行性筋ジストロフィーの治療と予後
特効薬はありませんが、ビタミンe、タンパク同化ホルモン、ATPなどが用いられます。
また、日常生活の中で、なるべく規則的に適量の筋運動を行うことによって病気の進行速度を少しでもおそくできます。
〔多発性筋災〕(polymyositis)
多発性筋炎の病因
筋肉に炎症や変性をおこし、筋力が低下する疾患であって、半数程度は膠原病か悪性腫瘍に随伴します。
残りは原発性のものか皮膚筋炎としておこります。
最近では、この疾患を自己免疫疾患と考える学者もいます。
50~60歳代に多く、女性は男性の2倍ぐらい多いといいます。
多発性筋炎の症状
脚や腕の脱力、嚥下障害、筋委縮、筋痛、発声障害などがありますが、初期には筋炎と診断できることはまれです。
多発性筋炎の診断と治療
臨床症状の他、血沈の亢進、血清や尿中のクレアチン、クレアチニンの異常性、GOT、GPTなどの変化、筋電図、筋生検が参考となります。
治療には副腎皮質ホルモンが使用されます。
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