肥満を防ぐ
さまざまな生活習慣病の温床となる肥満。エネルギーのとり過ぎや運動不足によって体脂肪が過剰になったのです。
●症状:過剰エネルギーが体脂肪に変わる
★体脂肪が増え、体重が増加
体内で利用されずに余ったエネルギーは、脂肪やグリコーゲンになって体に蓄積されます。
肥満とは、脂肪が過剰に体に蓄積した状態のことをいい、一般に体重の増加という形で現れます。
★肥満には合併症がつきもの
肥満は高血糖や脂質異常症、高血圧などにつながり、放置しておくと、糖尿病や動脈硬化などの本格的な生活習慣病へと進行します。
こうした症状があったり、予測される場合、「肥満症」と診断されます。
これらの症状が重なると、生活習慣病へのリスクが2倍、3倍と高まりますが、逆に肥満を解消すればほとんどの症状は改善します。
症状が現れる前に対策を立てることが大切です。
●要因:食べ過ぎ、運動不足の生活習慣がおもな原因
★エネルギーのとり過ぎが問題
肥満の原因は、消費エネルギーよりも摂取エネルギーが多過ぎること、つまり食べ過ぎと運動不足の習慣化です。
適切な摂取エネルギー量は一人ひとり異なり、体格や年齢、運動量(活動量)によって決まります。
自分に合った適切なエネルギー摂取を心がけることが大切です。
★年をとるにつれ低下する基礎代謝
「食事の量も運動量も以前と変わっていないのに太ってしまう」と嘆く人も少なくありません。
基礎代謝は、年をとればとるだけ低下していきます。
若いころと同じだけ食べていれば、それだけエネルギーは使われずに脂肪となって体に蓄積されるのです。
●思い込み肥満と肥満症
若い女性に顕著なやせ志向が見られます。
BMlの判定では決して肥満でではないのに「もっとやせたい」と思う「思い込み肥満」は社会的な風潮がつくり出した肥満とはいえ、栄養失調や低栄養が心配です。
一方で、高血糖や脂質異常症などの合併症を併発した病的な”肥満症”が中高年男性の間で増加しています。
★肥満の判定は4段階
肥満かどうかは、BMI<現在の体重kg÷ (身長mX身長m) >で判定できます。
判定:BMI
普通体重:18.5以上~25未満
肥満度1:25以上~30未満
肥満度2:30以上~35未満
肥満度3:35以上~40未満
肥満度4:40以上
●エネルギー収支を見直す
消費エネルギーに見合った摂取エネルギーにすることが大切です。
★消費エネルギー
基礎代謝
安静のときでも必要な最低限のエネルギー。
活動エネルギー
活動に必要なエネルギー。
活動量で変わる。
★摂取エネルギー
食品からとるエネルギー(食べることで得られるエネルギー)
摂取エネルギーが少なければそれだけ体脂肪が減ります。
しかし減らし過ぎるとダイエッ卜は長続きせず、リバウンドもしやすいのです。
栄養バランスも悪くなり、体調をくずすこともあるので注意が必要です。
●太らない・やせやすい生活習慣に
次のような目標を決めて、1項目ずつクリアしていくことが早道です。
・食事はいつも腹八分目
・1日3食規則正しく食べる
・夜遅い時間に食べない
・お酒とおつまみをとり過ぎない
・外食を減らす
・運動の習慣をつける
・動作をキピキビと
・毎日体重測定をする
★食事のポイント
副菜:低エネルギーの野菜・海藻・きのこ類をたっぷりと、油をセーブした調理法で。
主菜:低脂肪の魚や肉を、刺し身・焼く・煮る・蒸すなど、油を使わない調理法で。
主食:ごはんなら茶わん軽く1.5 杯、食パンなら6枚切り1枚。
もう1品:低エネルギーでうす味の汁・スープを1品。
1日1600~1800kcalの場合、主食の目安は250kcal。
ごはんなら約150g、食パンなら6枚切り1.5枚。
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