脂質の代謝
脂質は肝臓で再合成され、脂肪組織に送られて貯蔵工ネルギーになるほか、細胞膜などの材料にもなります。
●中性脂肪の吸収法と脂質の運搬法
★中性脂肪は乳化されて吸収
脂質のうち、リン脂質とコレステロールはそのまま小腸に吸収されますが、中性脂肪は十二指腸から出る胆汁によって乳化されたのち、膵液の消化酵素リパーゼによって脂肪酸とグリセロールに分解され、小腸に吸収されます。
★脂質の集合体「カイロミクロン」
脂肪酸とグリセロールは小腸壁ですぐに中性脂肪に戻り、コレステロールやリン脂質とともに「カイロミクロン」というリポタンパク質粒子(水溶性で血液やリンパ液になじむ)になってリンパ管に入ります。
リンパ管は首のつけ根あたりで静脈に合流し、カイロミクロンはそこから静脈に入って、心臓、動脈を経て肝臓に運ばれます。
●カイロミクロンは肝臓で再合成されて全身へ
★血液を循環するリポタンパク質
カイロミクロンは、肝臓でVLDLというリポタンパク質に再合成されて血液中に出され、その中の中性脂肪が脂肪組織にとり込まれて貯蔵されます。
そして、必要に応じて脂肪酸とグリセロールに分解されてエネルギーになります。
中性脂肪が脂肪組織にとり込まれると、VLDLはLDLというコレステロールの割合が多いリポタンパク質になります。
これは組織の細胞膜になるコレステロールを運ぶ重要な粒子ですが、増え過ぎると動脈硬化の原因になります。
肝臓ではHDLも合成され、血液中に出されます。
これは、動脈壁のコレステロールをとり込んで肝臓へ戻るので、HDLが多いと動脈硬化予防になります。
「脂肪酸」は心臓を動かすガソリン?
脳はブドウ糖を唯一のエネルキー源として活動していますが、フドウ糖を血液によって脳ヘ送っているのは心臓です。
心臓が働かなけれは脳も活動することはできません。
そして、その心臓を動かすガソリンの役目をするのが脂肪酸。
脂肪酸は、体に1ヶ月分以上貯蔵されている中性脂肪が分解されてできるので、心臓のエネルキー源が不足するという心配はまずありません。
★脂質の種類と行方
コメント