下痢を防ぐ
大腸での吸収が充分でないために起こる下痢。食あたりや腸の病気のほか、暴飲暴食、ストレスなどで起こります。
●症状:腹腹痛を伴い、体力も消耗
★便に含まれる水分が異常に多い
下痢は、便秘とは正反対に、水分が異常に多い便が排泄される状態をいいます。
軟便、ひどい場合は水様便になります。
医学的には、1日に200ml(または200g)以上の便が出ることと定義されています。
排便の回数が多くても、水分が多くなければ下痢とはいいません。
便に含まれる水分は、ただの水ではありません。
食べ物から摂取した栄養分や大切な体液も含まれています。
したがって、下痢が続くと体力が消耗し、体重が減少することもあります。
★急性下痢と慢性下痢がある
一時的な下痢は急性下痢といわれ、体の冷えや暴飲暴食による軽い症状のものや、激しい腹痛を伴う食中毒やウイルス性胃腸炎などの重い症状のものがあります。
3か月以上続くものは慢性下痢といわれます。
また、ストレスが原因で起こる過敏性腸症候群があります。
血便が出る場合は、クローン病や潰瘍性大腸炎・大腸がんなど重い病気の可能性があります。
●要因:ストレスや食中毒、急性腸炎など
★食中毒や急性腸炎の場合は危険
下痢をする原因は、暴飲暴食をはじめ冷え・ストレス・食中毒・感染症・腸の病気などさまざまです。
特にすぐに対応しなければいけないのは、食中毒や急性腸炎による下痢や血便を伴う下痢です。
★牛乳で起こるケースも
牛乳を飲んで下痢する人もいます。
これは、牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素が足りないために起こります。
●ストレスで起こる過敏性腸症候群
元気な腸にするためのポイント!
A:適度な運動を!
B:充分な食物繊維を!
C:食事も含めて1日1.5から2ℓの水分を!
日本人の10人に2人は、ストレスが原因で起こる下痢「過敏性腸症候群」にかかっているといわれ、特に女性に多く見られます。
体力を消耗しないのが特徴で、下痢と便秘を交互にくり返すケースもあります。
水分や食物繊維を充分にとって腸内環境を整え、腸をじょうぶにすることが改善策です。
また、運動習慣も効果的です。
運動には、ストレスで乱れた自律神経のリズムが正常化する効果かあります。
●腸の負担になる食品を避ける
デリケートな状態のときには刺激の少ないものを選びます。
重い下痢でなければ、腸にやさしいものを食べ、安静にしていれば、自然に回復します。
腸を刺激する香辛料、食物繊維、冷たい飲食物などは避けるようにしましょう。
★食物繊維の多いもの
食物繊維は消化が悪く、腸に負担をかけるため、下痢を助長してしまいます。
野菜・海藻・きのこ・こんにゃくなどは控えます。
★刺激の強いもの
辛い食べ物・コーヒ一・アルコール飲料・炭酸飲料などは、腸に刺激を与えますので、控えるようにします。
★ガスを発生するもの
豆・いも類・かぼちゃ・栗などは、腸内で発酵してガスを発生し、このガスが腸を刺激してしまうので、控えます。
★冷たいもの
冷たい食べ物や飲み物は、下痢を助長します。
食べるときには、体温に近づけるようにゆっくりとよくかむことが大切です。
●栄養と水分はしっかり補給
便といっしょに排泄されてしまった大切な栄養素や水分を補充します。
★タンパク質・ビタミン・ミネラルを
栄養不足を防ぎ、体力を回復させるために、バランスのよい食事をとることが大切です。
★失われた水分を補給
下痢により失われた水分を補給するには、冷たい飲み物でなく、温かい汁物やお茶などで。
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