吸収のしくみ
食べ物の栄養素が消化によって最小サイズに分解され、体内にとり込まれることを「吸収」といいます。
●空腸と回腸の内壁のしくみ
★小揚は3つの部分からなる
小腸は、十二指腸・空腸・回腸の3つで構成されます。
十二指腸は約25㎝、空腸はその先の約5分の2、残りが回腸です。
空腸と回腸で栄養素と水が吸収されますが、空腸のほうが吸収が盛んです。
★絨毛と微絨毛の二重構造
空腸・回腸の内壁は高さ約1㎜の絨毛で覆われており、その表面にはさらに微絨毛が生えています。
微絨毛の表面積の合計は人間の体表面積の約5倍に及び、栄養素や水分をむだなく吸収します。
●空腸・回腸の内壁が消化の完成場所
★微絨毛にある消化酵素の役目
微絨毛の表面には、ここまで消化されてきた栄養素を種類別に選び、最小サイズの栄養素にして吸収する酵素が並んでいます。
これを終末消化酵素といいます。
たとえば、麦芽糖(ブドウ糖が2個つながった糖質)は、ブドウ糖(最小サイズの糖質)に分解されて吸収されます。
タンパク質は、アミノ酸やペプチドに分解されて吸収されます。
脂質のうち中性脂肪は脂肪酸とグリセロールに分解され、他の脂質のコレステロールやリン脂質とともに吸収されます。
★血液やリンパ液に溶けて体内へ
絨毛の内部には血管とリンパ管が通っています。
ブドウ糖などの単糖類やアミノ酸やペプチド・水溶性ビタミン・ミネラルは静脈に溶けて、門脈という太い静脈を経て肝臓へ送られます。
一方、脂質や脂溶性ビタミンはリンパ管から静脈に入り、心臓・動脈を経て肝臓に運ばれます。
栄養素は、なぜ肝臓に運ばれるの?
食べ物の栄養素が肝臓に運ばれるのは、肝臓が栄養素を人の体に役立つように処理する所だからです。
たとえば、フドウ糖の一部はグリコーゲンに合成されて肝臓に蓄えられます。
これは血糖が下がったときに、即座にブドウ糖を供給するためです。
また、食べ物のアミノ酸は人の体に合うアミノ酸につくり替えられますし、脂質も、体に利用できるように再合成されて血中に出されます。
★栄養素吸収のしくみ
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