高尿酸血症を防ぐ
40~50歳代の肥満傾向の男性に多いのが特徴。標準体重の維持とバランスのとれた食生活が課題です。
●症状:尿酸が関節や賢臓に蓄積されて結晶化
★風が吹いても痛い「痛風発作」
尿酸は、細胞の遺伝子の中に含まれるプリン体と呼ばれる成分が分解されてできる老廃物で、腎臓から尿とともに排泄されます。
しかし、尿酸が過剰につくられたり、排泄されにくくなると、血液中の尿酸がどんどん増えてしまいます。
尿酸は溶けにくい物質で、過剰に蓄積されると、尿酸塩という結晶になって関節や腎臓にたまります。
通常、血液中の尿酸値は6㎎/dL未満で、7㎎/dL以上になると、高尿酸血症と診断されます。
痛風の典型的な症状は、その名のとおり「風が吹いても痛い」といわれるほどの関節の激痛です。
痛みはおもに足の親指のつけ根部分に現れて、赤く腫れ上がります。
痛風患者の約90%は男性です。
●要因:暴飲暴食など食事の影響も大きい
★尿酸の産生と排泄のアンバランス
高尿酸血症は、体質や性別、年齢、食習慣など、さまざまな要因がからみ合って起こるとされています。
血液中に尿酸が増える原因には、尿酸が異常に多くつくられる、尿酸の腎臓からの排泄が悲くなることがあげられます。
尿酸が異常に多くなるのは、体内のプリン体が増えたか、プリン体が分解されて尿酸になる量が増えた場合に起こります。
★プリン体、アルコールが悪さをする
尿酸の原料となるプリン体は、肉や魚介類に多く合まれているので、かつて痛風はぜいたく病 といわれていました。
また、エネルギーのとり過ぎで肥満ぎみになると、尿酸を代謝する機能が衰えて高尿酸血症を起こし、痛風につながります。
アルコールも大きな要因です。
アルコールは体内で尿酸をつくり、尿酸の排泄を滞らせるためです。
特にビ―ルにはプリン体が多く含まれています。
食べ過ぎや飲み過ぎ、プリン体のとり過ぎを防ぐことで、高尿酸血症、そしてい痛風発作のリスクを軽くすることができます。
●あの人も高尿酸血症だった?!
この病気は古くから知られ、王侯貴族など暴飲暴食ができる人に多発していたので「帝王病」「ぜいたく病」と呼ばれていました。
アレキサンダ一大王、ルイ14世、ダーウィン、ニュートン、マルチン・ルターなど多くの著名人たちが、痛風に悩まされていたといわれています。
●低プリン体、低エネルギ一食を
食べ過ぎ・飲み過ぎ・フリン体のとり過ぎの「3過ぎ」を防ぎます。
★プリン体の多い食品をとり過ぎない
適正エネルギーを守って食べ過ぎないことが一番。
その上で、プリン体を含む食品をとり過ぎないように。
食品からとり入れるプリン体の許容量は「1日400mg以内」を目安に。
食品100g当たりのプリン体含有量(総プリン体表示)
極めえ多い(300mg以上)
鶏レバー・マイワシ干物・イサキ白子・アンコウ肝酒蒸し・カツオ節・煮干し干ししいたけ
多い(200~300mg)
豚レバー・牛レバー・カツオ・マイワシ・大正エビ・マアジ干物・サンマ干物
少ない(50~100mg)
ウナギ・ワカサギ・豚ロース・豚パラ・牛肩口ース・牛肩バラ・牛タン・マトン・ボンレスハム・プレスハム・ベーコン・つみれ・ほうれん草・カリフラワー
極めて少ない(~50mg)
コンビーフ・魚肉ソーセージ・かまぼこ・焼きちくわ・さつま揚げ・かずのこ・すじこ・ウインナーソーセージ・豆腐・牛乳・チーズ・バター・鶏卵・とうもろこし・じゃがいも・さつまいも・ごはん・パン・うどん・そぱ・果物・キャベツ・トマト・にんじん・大根・白菜・ひじき・わかめ・こんぶ
★水分の補給を
甘い噌好飲料やビールではなく、水、お茶、ブラックコーヒーなど、水分を充分にとり、尿酸を尿といっしょに排泄します。
★お酒を飲み過ぎないこと
尿酸の排泄を妨げるアルコールは日本酒なら1合、ビールなら中びん1本まで。
週3日以上の休肝日を。
プリン体の多いおつまみは避けます。
★食事のポイント
副菜:野菜・きのこ・海藻を充分に。
主菜:プリン体の多い食品を避ける。
主食:アルコール(特にビール)を控える。水分は充分に(1日2ℓ) 。
もう1品:塩分の多い漬け物や汁物をとり過ぎない。
1食献立の適量が500~600kcalの人の場合、主菜は、「少ない」と思えても、これくらいが、適量。
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