がんを防ぐ
食べ物やタバコなど、危険因子の多くは口から入るもの。個人レベルで実践できる予防法はたくさんあります。
●症状:突然変異で増殖するがん細胞
★がん細胞はもともと体の一部
傷ついた遺伝子が正常細胞に作用することによって、がん細胞は発生します。
がん細胞は、ウイルスのように外部から侵入してきた「敵」ではなく、もともと自らの体の一部です。
増殖したり、体のあちこちに転移するのが特徴です。
★40歳はがん年齢の始まり
がんになる確率は、40歳を過ぎると高くなり始め、60歳以降になると急増していきます。
日本人のがんの部位別死亡率の年次変化を見ると、男女ともに胃がんが減り、肺がん・大腸がん・肝臓がん・乳がんなどが増えています。
食生活の洋風化による脂肪摂取の増加や食物繊維摂取の低下などの食生活の変化が大きくかかわっていると考えられます。
●要因:脂肪や塩分の過多な3分の1は食生活由来
★危院因子の多くは口から
がんを発生しやすい危険因子は、食生活(約35%)・タバコ(約30%)・アルコールなど、口を経るものがほとんどです。
消化器系のがんが多いのもそのためです。
脂肪のとり過ぎは、大腸がんや乳がんをはじめ、すべてのがんに関係し、塩分のとり過ぎ、食品添加物・熱いものやアルコールも胃がんの危険因子になります。
過食傾向の人も発がん率が高いというデータもあります。
がんは、活性酸素と密接な関係にあります。
活性酸素は、呼吸でとり込んだ酸素が燃焼するときにできる物質で、紫外線やストレスなどによっても発生します。
がんのほか動脈硬化や糖尿病・老化の原因物質となります。
●おもながんの予防因子と危険因子
おもながんの予防因子と危険因子早見表 | |||||||||||
因子 部位 |
がん予防因子 | がん危険因子 | |||||||||
野 菜 類 |
果 実 類 |
カ ロ テ ン |
ビ タ ミ ン C |
運 動 |
冷 蔵 保 存 |
ア ル コ ー ル |
塩 辛 い 食 物 |
動 物 性 脂 肪 |
肥 満 |
タ バ コ |
|
口腔 咽頭 |
● | ● | 〇 | ● | ▲ | ||||||
鼻咽頭 | ● | ▲ | |||||||||
喉頭 | ● | ● | ● | ▲ | |||||||
食道 | ● | ● | 〇 | 〇 | ● | ▲ | |||||
肺 | ● | ● | ● | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ▲ | |||
胃 | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
膵臓 | 〇 | ● | 〇 | ▲ | |||||||
胆のう | 〇 | ||||||||||
肝臓 | 〇 | ● | |||||||||
結腸 直腸 |
● | 〇 | ● | ● | 〇 | 〇 | △ | ||||
乳房 | ● | ● | 〇 | 〇 | ● | 〇 | ● | ||||
卵巣 | 〇 | 〇 | |||||||||
子宮体部 | 〇 | 〇 | 〇 | ● | |||||||
子宮頚部 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ▲ | ||||||
前立腺 | 〇 | 〇 | |||||||||
甲状腺 | 〇 | 〇 | |||||||||
腎臓 | 〇 | ● | △ | ||||||||
ぼうこう | ● | ● | ▲ | ||||||||
確実=● ほぼ確実=● 可能性あり=〇 影響大=▲ 影響中=▲ 影響小=△ |
●がん抑制効果のある食品選び
日常生活に潜むがんの原因を追放し、がん抑制効果のある食品を。
★がん予防15か条
①植物性食品を中心にいろいろな食品を食べる
②正常体重を維持する
③1日1時間程度のウォーキンクなどの運動を継続する
④野菜・果物を豊富にとる
⑤多種類の穀類・豆・根菜類をとる
⑥アルコール飲料は控えめに(男性は日本酒なら1合、女性はその半分程度)
⑦牛肉、豚肉は、1日80gまで
⑧脂肪の多い食品、動物性脂肪を抑える
⑨塩分を控える
⑩食品の貯蔵はしっかりとし、カビを抑える
⑪食品は低温で保存する
⑫食品添加物や残留農薬に注意
⑬黒焦げの食べ物はとらない
⑭栄養補助食品に頼らない
⑮タバコは吸わない
★デザイナーフーズ・ピラミッド
がん予防の可能性のある食品のリスト。
上部の食品ほど効果が高いと考えられています。
野菜や果物には、がん予防のほか、免疫力を高めたり、生活習慣病予防の効果も期待。
★食事のポイント
副菜:色とりどりの野菜、きのこ、海藻を充分に。
主菜:魚介、肉は低脂肪のものを。塩辛いもの、焦げたもの、熱いものは避ける
主食:適量を。太り過ぎに注意。
もう1品:汁はうす味で、野菜など具だくさんに。酒類は控えめに。
緑黄色野菜など色とりどりの植物性食品には抗酸化物質が多く、抗がん作用が期待されている。
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