- ダイエットとコレステロールを正しく理解
- コレステロールを下げる食品
- コレステロール結石とは(学術向上予備知識編)コレステロール結石は胆石とは(gallstone)、として解説します。
- リポタンパク質(lipoprotein)とは(学術向上予備知識編)
- リポタンパクリパーゼ(lipo-protein lipase)とは(学術向上予備知識編)
- 高脂血症(hyperlipidemia)とは(学術向上予備知識編)
- WHOの分類法について説明し、次に遺伝型による分類を記載します。
- 高リポタンパク血症Ⅰ型の定義およびリポタンパク像
- 高リポタンパク血症Ⅱ型の定義およびリポタンパク像
- 高リポタンパク血症Ⅲ型の定義およびリポタンパク像
- 高リポタンパク血症Ⅳ型の定義およびリポタンパク像
- 高リポタンパク血症Ⅴ型の定義およびリポタンパク像
- 〔高脂血症の遺伝型による分類〕
ダイエットとコレステロールを正しく理解
コレステロールとは
細脂質の一種で細胞膜の構成成分として重要ですが、血液中に増え過ぎると、動脈硬化や脂質異常症の原因になります。
コレステロールの生理作用
細胞膜を構成する重要な脂質です。
多脂質の一種であるコレステロールは、脳や神経組織、肝臓などに広く存在しています。
細胞膜の構成成分として、また、性ホルモンや副腎皮質ホルモン、胆汁酸、ビタミンD前駆体の原料として重要な物質です。
コレステロールは、リン脂質やタンパク質とともに親水性の「リポタンパク質」を構成し、血液中に存在しています。
これは大きく4つに分類され(下記参照)、LDLはコレステロールを肝臓から体の各組織に運び、HDLは組織中のコレステロールを肝臓に戻す働きをしています。
体に必要なコレステロールの約8割は体内で合成されています。
食事からの摂取量が多いと、体内での合成量が減るようにうまく調節されています。
ポイント!
コレステロールと聞くと善玉や悪玉を連想されると思います。
気が付かれた通りで、健康維持・ダイエット・美肌効果にも関係しているのがコレステロールです。
健康診断でコレステロール値が高いと指摘される前から予防を心がけることで、健康維持・ダイエット・美肌・生理痛緩和にもなります。
この生理痛を和らげることはあまり知られていませんが、かなり効果があります。
また、ダイエットの邪魔をするのが、総コレステロール値や悪玉コレステロールで、ダイエットを心がけているのに、痩せにくくなります。
豆乳を毎日飲むのも効果的ですね。
便秘とコレステロールの密接な関係
便秘が続くと腹部を便により加圧されるようになります。
このようになると、血行が不良するのは当然であり、また腰痛の原因にもなります。
便秘が続くと大腸が胆汁として、分泌されたコレステロールの吸収がはじまり、結果的に血液中に溶け出したコレステロールが血管内に蓄積される悪循環になります。
このような状態では、動脈硬化の原因につながりますし、便秘しやすい人は乳房(乳がん)に癌を発症する確立が高いという調査結果が出ていますし、よく耳にする理由です。
便秘の慢性化予防とコレステロールのコントロールを意識して記述していますので、安心して読み進めて頂ければ改善できるように記述しています。
コレステロールが過剰になると
酸化型LDLが動脈硬化を促す。
血液中のLDLコレステロールが過剰になると、高LDLコレステロール血症を招きます。
LDLコレステロールが増え過ぎると、血管壁に入り込んで酸化され、酸化型のLDLに変わります。
酸化LDLが血管壁にどんどんたまると動脈硬化が進行します。
さらに、動脈が狭まるため、心筋梗塞や狭心症などの心疾患、脳血管疾患の可能性も高まります。
コレステロールが不足すると
免疫力が低下し血管が弱くなる。
血液中のHDLコレステロール値が低過ぎると、細胞膜や血管が弱くなったり、免疫力が低下するなどの弊害が現れます。
脳出血やがんを起こしやすくなることも知られれいます。
血液中のLDL値やHDL値を測定することで血管の健康状態がわかる
血液中のコレステロールの運び役であるLDL(低密度リボタンパク質)が多いと、動脈硬化が進行し、反対にコレステロールの掃除役であるHDL(高密度リポタンパク質)が多いと、そのリスクは下がります。
そのため、LDLとHDLは血管の健康状態を知るうえで、健診の重要なチェックI頁目となっています。
コレステロールまとめ
構造:ステリン核に水酸基(ーOH)を持つステロールの一種
生理作用:細胞幕の構成成分、性ホルモンやビタミンD前駆体の成分となる
供給源:レバー、卵、魚卵、ウナギ、イカ等
とり過ぎた場合:脂質異常症、動脈硬化、心筋梗塞
不足した場合:免疫力の低下、脳出血やがんのリスクが高まる
1日の摂取基準(目標量):成人男性 750㎎未満 成人女性 600㎎未満
コレステロールの上手なとり方
コレステロールの吸収を抑える食品をとり、上昇させる食品を控えます。
①コレステロールの吸収を抑制する食物繊維が多い野菜・海藻・きのこなどを充分にとります。
野菜は1日350gが目標量です。
②LDLを上昇させる動物性脂肪(肉の脂肪やバターなど)は控えめにします。
③調理に用いる油は、総コレステロール値を下げ、HDLを下げないオレイン酸の多い油(オリーブ油など)がおすすめです。
④HDLを上昇させる作用があるDHAやIPAが多いサンマ、イワシ、ブリなどのいわゆる青背魚を週1回以上とりましょう。
⑤適量のアルコール(日本酒で1日1合以下)はHDLを上げる効果があります。
多量の飲酒は逆にLDLを上昇させます。
コレステロールを多く含む食品
コレステロール・・・食べ過ぎこそ、タブー!
血液中のコレステロール値が気になる人は、コレステロールの多い食品を控えるよりも、体内でのコレステロール合成を促進する「エネルギー過剰(いわゆる食べ過ぎ)」に気をつけたほうが効果的であるといえます。
また、運動不足やストレスなどもコレステロール値の増加に影響を及ぼすといわれています。
コレステロール(cholesterol)とは(学術向上予備知識編)
〔コレステロールの本体〕
図:コレステロール
このような構造をもち、おもに肝臓、その他腎臓において、アセチルCoAを材料として、スクワレン(squalene)を経て生成します。
〔コレステロールの生理的意義〕
1・レシチンなどと結合して細胞膜成分となります。
2・肝臓において胆汁酸の材料となります。
3・肝臓においてプロビタミンDの材料となります。
4・副腎皮質において皮質ホルモンの材料となります。
5・性腺において性ホルモンの材料となります。
血漿中に150~200mg/dlの濃度で含まれています。
〔コレステロールの病理的意義〕
血漿中コレステロールに高濃度が続くと、それが動脈内膜に浸入して動脈硬化の原因となります。
脂肪酸とエステルをつくっていますが、脂肪酸の種類は血漿中コレステロールエステルと似ており、リノール酸がもっとも多くオレイン酸がこれに次ぎ、コレステロールは、また胆石生成の材料となります。
私達日本人には、このようなコレステロールに起因する動脈硬化や胆石症が増加しています。
〔血漿コレステロール濃度と食事内容の関係〕
食事中脂肪に飽和脂肪酸の割合が多いほど血漿中コレステロール濃度は高くなり、多価不飽和脂肪酸の割合が多いほど低くなり、この関係を次の式であらわします。
図:式
多価不飽和脂肪酸は尿中への胆汁酸の排泄を増加させますが、これは肝臓でコレステロールの胆汁酸への転換を促進するためと考えられています。
食物中コレステロール量の影響について、1日400mg程度から1,400mg程度まで、100mg増加するごとに血漿コレステロールは3mg/dl程度増加するにすぎないとされています。
コレステロールを下げる食品
わかめ=若布(Undaria pinnatifida)とは(学術向上予備知識編)
褐藻類コンブ科の海泌の一つで、その形状により、ナンブワカメとナルトワカメとに大別されます。
食用にされるのは無性世代の栄養葉です。
成熟すると茎の下部に芽株と称する成実業をつけます。
これは、胞子体で遊走子をつくります。
市販ワカメは原藻を熱湯中に浸し、緑変したところを冷水で冷却するいわゆる「湯抜き」を行い乾燥したものが多いですが、最近では塩蔵品も市販されています。
〔コレステロールを下げるワカメの成分〕
藻体は軟らかく、細胞壁の構成成分が褐藻に独特なアルギン酸であるため、人の消化酵素ではまったく消化されません。
このアルギン酸の含量はメカブでとくに高く、コレステロール吸収阻害作用を有するので、高コレステロール血症のさい、吸収阻害的に作用し、血清コレステロールを低下させる傾向をもち、またカルンウム含量も高い。
コレステロール結石とは(学術向上予備知識編)コレステロール結石は胆石とは(gallstone)、として解説します。
〔胆石の疫学〕
胆石は男性よりも女性に多くみられます。
両性ともに年齢とともに、胆石の発生率は増加します。
〔胆石の化学組成〕
主としてコレステロールよりなる石と、ビリルビンカルシウムがおもな石があります。
〔胆石の症状〕
無症状のものから強度の右上腹部痛または圧痛・悪寒・発熱・黄痘を起こすものまであります。
〔胆石の診断〕
排泄性胆道造影法には経口法と静注法。点滴静注法があります。
直接胆道造影法には経皮経肝胆道造影法、内視鏡的逆行性胆道造影法があります。
これら胆道造影法によって胆石を確認します。
〔胆石の治療〕
一般に外科的手術の適応です。
とくに胆道性疝痛発作が起こったときには手術をおこないます。
内科的には低脂肪食と、コレステロール胆石の場合にはケノデオキシコール酸の経口投与も試みられています。
リポタンパク質(lipoprotein)とは(学術向上予備知識編)
〔リポタンパク質の種類〕
リポタンパクろは脂質(lipid)とタンパク(protein)の復合体です。
したがって細胞膜や赤血球膜などの膜もリポタンパクですが、普通リポタンパクとよぶときには血漿(清)リポタンパクを指しています。
血漿脂質のおもなものはコレステロール(エステル型と遊離型)。
リン脂質(レシチン・スフィンゴミエリン・リゾレシチン・ホスファチジル・エタノールアミン・その他)、中性脂肪(卜リアシルグリセロール・ダイアシルグリセロール・モノアシルグリセロール)、遊離脂肪酸(FFA)などでありますが、FFA以外の血漿脂質はすべてリポタンパクとなって血漿中に溶解して存在しています。
血漿リポタンパクはその粒子の大きさ・密度・濃度分布などから普通四つないし五つの、いわゆる主要リポタンパクに分類されています。
血漿リポタンパクは普通二つの方法で分類されており、その他の方法(たとえば沈殿法・ゲル濾過法・免疫学的方法など)による分類は上述の二つの方法による分類のいずれかに対応されるのが普通です。
この基本的な二つの方法とは、一つは超遠心法であり、もう一つは電気泳動法です。
このうちでも超遠心法による分類が基本とされています。
超遠心法による分類は、浮上法(flotation method)に基づいています。
それはSf単位で表されます。
しかし最近では、Sf単位ではなく、溶媒の比重(密度)を変えることによって浮上してくるリポタンパクを密度の差そのもので分類する方法が一般に使用されています。
〔リポタンパク質の分類〕
このようにして分類されている主要リポタンパク分画は、カイロマイクロン、超低比重リポタンパク(VLDL)、低比重リポタンパク(LDL)、高比重リポタンパク(HDL)およびく超高比重リポタンパク(VHDL)の5分画です。
カイロマイクロン
カイロマイクロン:d(density:密度)0.95g/ml以下のリポタンパクで、その構成はトリアシルグリセロール85%、遊離コレステロール2%、エステル・コレステロール5%、リン脂質6%、タンパク2%から成り、直径約5,000A(0.5μ)前後のほぼ球形のリポタンパクです。
リポタンパクのタンパク部分はアポリポタンパクまたは単にアポタンパクとよばれていますが、カイロマイクロンの主要(major)アポタンパクはapoA-Ⅰ,apoB,apoC-Ⅰ,apoC-Ⅱ,apoC-Ⅲで、そのほかに副(minor)アポタンパクとしてapoA-Ⅰ,apoE,PRP(proline-rich protein)が知られています。
カイロマイクロンは小腸でつくられ、外因性(すなわち経口摂取した)トリアシルグリセロールおよびコレステロールの輸送という機能を行っています。
また肝におけるコレステロールの生合成調節機能をもっている末梢組織・臓器の毛細管表面にあリポタンパクリパーゼの作用を受けて漸次カタボリズムを受け、レムナン卜(remnant)となって再び血流中に放出されています。
小腸でつくられたカイロマイクロンは胸管を通って循環系に入りますが、胸管中のカイロマイクロンと血漿中のカイロマイクロンの構成は異なり、とくに血漿中のものではアポタンパクが増加しています。
胸管(リンパ管)中のカイロマイクロンを一次粒子(primary particles)、血漿中のそれを二次中粒子(secondary particles)とよぶこともあり、両者はPVP(ポリビニルピロリドン=ポビドン=polyvinylpyrrolidone)を利用して分離することができます。
VLDL
VLDL:d<1.006g/ml(0.95~1.006g/ml)のリポタンパクで、その構成はトリアシルグリセロール50%、遊離コレステロール7%、エステル・コレステロール12%、リン脂質18%、遊離脂肪酸2%、タンパク10%から成り、直径約400Å前後(300~900Å)のはほ球形のリポタンパクです。
主要アポタンパクはapoB,apoC-Ⅰ,apoC-Ⅱ,apoC-Ⅲ,apoEで、副アポタンパクはapoA-Ⅰ,apoA-Ⅱ,apoDです。
VLDLは大部分肝でつくられて、その機能は内因性(すなわち肝で糖質、遊離脂肪酸などから合成された)卜リアシルグリセロールの末梢組織への輸送です。
VLDLは小腸でもつくられることが知られていますが、肝由来VLDLと腸由来VLDLとが、構成・代謝などまったく同じであるかどうかについては、まったく知られていません。
また、両者を別々に分離する方法もありません。
しかし、早朝空服時のVLDL の大部分は肝由来VLDLと考えられています。
小腸はカイロマイクロンとVLDLの2種類のリポタンパクをつくりますが、多価不飽和脂肪を摂取したときにはカイロマイクロンを、飽和脂肪を摂取したときにはVLDLを主としてつくるといわれており、また摂取脂肪量が多いとき、すなわち脂肪負荷量が多いときにはカイロマイクロンを、少ないときにはVLD をつくるといいます。
コレステロールはカイロマイクロンでもVLDLのいずれででも運ばれます。
VLDLは電気泳動上はpre-βリポタンパクとよばれており、分画にほぼ一致します。
LDL
LDL:d=1.006~1.063g/mlに相当する分画で、しばしばLDL1(d=1.006~1.019g/ml)とLDL2(d=1.019~1.063g/ml)とに分けられます。
最近は学者によってはLDL1をLDLとよび、LDL2を単にLDLとよぶ人もいます。
以前は現在もっとも広く使われている意味でのVLDLとLDLとを合わせて単にLDLとよばれていたこともあり、技術の進歩に伴って多少命名法に混乱が見られています。
したがって文献を読むさいには注意が必要ですが、最近は論文の初めにdensity(d)によってその言葉(たとえばLDL)の定義が書いてあることが多くなりました。
多少dの違った範囲のリポタンパクに対して同じ名前、たとえばLDLとよんでいる学者もいます。
LDLの構成はトリアシルグリセロール11%、遊離コレステロール8%、エステル・コレステロール37%、リン脂質22%、遊離脂肪酸1%、タンパク21%で、カイロマイクロンやVLDLと異なって、おもな脂質成分はコレステロール、とくにエステル・コレステロールです。
カイロマイクロンやVLDLではトリアシルグリセロール。
LDLは直径約200Å(210~250Å)のほぼ一様の大きさの鋸歯状辺縁の球形リポタンパクです。
主要アポタンパクはapoBで、副アポタンパクはapoCです。
LDLはカイロマイクロンとVLDLの異化代謝産物としてレムナン卜やIDLを通って生成されると考えられています。
しかし、たとえば本態性家族性高コレステロール血症などの場合には、直接肝で作られ分泌されているLDLもあることが知られています。
カイロマイクロンやVLDLもすべてLDLにまで代謝されるものではなく、直接完全に代謝されてしまう(shunt pathway)の存在も知られています。
LDLの機能はエステル・コレステロールの末梢組織・細胞への輸送・供給と、そのさいレセプター機構を介して末梢組織・細胞におけるコレステロール生合成を調節することです。
LDLは以前からいわゆるatherogenic(動脈硬化惹起性)リポタンパクとして注目されています。
LDL遺伝的なpolymorphism(多形性)があり、Ag系、Lp系などがありますが、このうちLp(a)はとくに動脈硬化症との関連で注目されています。
LDLは電気泳動上βリポタンパクとよばれる分画にほぼ相当します。
HDL
HDL:d=1.063~1.210g/mlに相当する分画で、しばしばHDL2(d=1.063~1.125g/ml)とHDL3(d=1.125~1.210g/ml)とに分けられています。
初期にHDL1として分離された分画は今日ではLDL中に含めて考えられており、HDLのsubclassとしては取り扱われていません。
最近コレステロール食を摂取したときに出現するHDLcの存在が注目されています。
HDLの構成はトリアシルグリセロール8%、遊離コレステロール3%、エステル・コレステロール14%、リン脂質22%、遊離脂肪酸3%、タンパク50%で、他のリポタンパクに比してタンパクの割合が著しく増加し、またおもな脂質成分はリン脂質です。
HDLは直径約74Å(70~100Å)の、上面から見ると花弁状形態を有するほぽ球形のリポタンパクです。
主要アポタンパクはapoA-ⅠとapoA-Ⅱで、副アポタンパクはapoC-Ⅰ,apoC-Ⅱ,apoC-Ⅲ,apoD,apoE,apoFです。
HDLは肝および小腸でつくられますが、そのほかに、カイロマイクロンやVLDLの代謝過程でもつくられると考えられています。
HDLの機能はコレステロールエステルの形成、末梢組織からの過剰ないし不要コレステロールの除去およびその肝への輸送、リポタンパクリパーゼやレシチン・コレステロール・アシルトランスフェラーゼ(LCAT)の作用を調節することによってトリアシルグリセロール輸送を促進し、円滑化することです。
HDLは初めにHDL3がつくられ、それが漸次HDL2に代謝されると考えられています。
HDLはanti-atherogenicと考えられており、その機構は末梢組織よりのコレステロールの除去、atherogenicなLDLの末梢組織(動脈壁)細胞への取り込みの抑制などにあると考えられていますが、詳細は不明です。
HDLは電気泳動上はαリポタンパク分画にほぼ相当します。
VHDL
VHDL:d=1.210~1.250g/mlに相当する分画で、その構成はトリアシルグリセロール5%、遊離コレステロール0.3%、エステル・コレステロール3%、リン胞質28%、タンパク62%より成り、主要アポタンパクはapoA-ⅠとapoA-Ⅱです。
しかしVHDLについては、その存在は一般に認められていますが、詳しいことはまだ十分には研究されていません。
※特殊状態で出現するリポタンパク-X(LP-X)
以上五つの正常な状態に見られるリポタンパクのほかに、リポタンパク-X(LP-X)とよばれる、特殊な状態のときにのみ出現するリポタンパクがあります。
LP-Xは、閉塞性リポタンパク「(obstructive)lipoprotein」ともよばれ、閉塞性ないし胆汁うっ滞性黄痘のときに血流中に出現する特異なリポタンパクであると考えられていました。
しかし、今日では全く同ーのリポタンパクが家族性LCAT欠損症で、閉塞性黄痘がないにもかかわらず、見られることが知られています。
また、非経口栄養に用いる脂肪乳剤であるイントラリピド(Intralipid)を静注しているさいにも出現することが知られています。
胆汁うっ滞性黄痘のときに出現する閉塞性リポタンパクにはいくつかの種類があり、LP-Xと近似のトリアシルグリセロールの含有量の多いリポタンパクをLP-Yと名づけています。
普通LP-Xとよばれているものは、ある特定のリポタンパクで、ほぼ一定の構造と形態をもっています。
LP-Xはタンパク部分6%、脂質部分94%で、タンパク部分は主としてアルブミン40%とapoC60%・apoC-Ⅰ,-Ⅱ,-Ⅲと少量のapo0から成っています。
apoCのうちでは50%以上がapoC-Ⅰです。
脂質部分ではリン脂質の含有量が著しく高く、LP-X全体の66.5%、遊離コレステロールが増加しており22.4%、エステル・コレステロールが著しく減少している2.4%。
トリアシルグリセロールは2.9%です。
電顕的にはLP-Xは円板状で連銭状に配列する傾向が強く、コレステロールとリン脂質とが1:1の構成からなる脂質二重層(lipid bilayer)の壁からなる小嚢(vesi cle)構造(single-bilayer vesicular structures)であるといわれています。
LP-Xには連銭形成傾向がありますが、LP-Yにはその傾向は少ないといいます。
リポタンパクリパーゼ(lipo-protein lipase)とは(学術向上予備知識編)
1943年のHahnの有名な、イヌにおける偶然の観察から出発し、主としてKornによって基礎が築かれてリポタンパクリパーゼ(LPL)と名づけられました。
この酵素は、リポタンパク中のトリアシルグリセロールに作用して、そのα位のエステル結合を切断するもので、末梢組織の毛細血管内皮細胞表面に存在しており、そこが作用の場です。
LPLの基質の活性化にアポタンパクが必要であるが、apoC-Ⅱがその活性化カがもっとも強く、apoC-Ⅰにも多少その作用がありますが、apoC-Ⅲはむしろその作用を抑制します。
ApoC-ⅢのLPL活性抑制作用は、apoC-Ⅲ/トリアシルグリセロール比によることが知られています。
先天性のapoC-Ⅱ欠損による高脂血症の症例が報告されています。
LPL活性はプロタミンや高濃度の塩溶液によって抑制されています。
ヘパリンやデキストラン硫酸のような高分子多価陰イオンを静注すると血流中に遊離してきます。
このヘパリンなどで血流中に現れる清澄因子(post heparinlipolyticactivity)の中には真のLPL以外に、ジ(di-)およびモノアシルグリセロールリパーゼ(monoacyl-gycerol lipase)、肝由来の肝性トリアシルグリセロールリパーゼ(hepatic tri-acylglycerol lipase)、ホスホリパーゼ(phospho-lipase)なども混じています。
LPLは乳腺、ミルク、脂肪組織、心筋、筋などから抽出、精製されています。
カイロミクロン及びカイロマイクロンは高脂血症で説明しています。
高脂血症(hyperlipidemia)とは(学術向上予備知識編)
高脂質血症ないし高脂血症とは血漿(清)脂質成分のうち一つまたはそれ以上のものが正常以上に増加した状態を指す術語として用いられています。
この場合総脂質の増加の有無には関係なく使用されることが多いです。
〔高脂血症の分類〕
血漿脂質はコレステロール、エステル型および遊離型、リン脂質、レシチン、スフィンゴミエリン、フォスファチジル・エタノールアミンなど、リゾリン脂質(ほとんどリゾレシチン)、トリアシルグリセロール・従来はトリグリセライドとよばれていました。
また中性脂肪とよばれることもありますが、中性脂肪というときには正確には次の二つも含まれるます。
ダイアシルグリセロール・従来ダイグリセライドとよばれていました、モノアシルグリセロール、モノグリセライド、および遊離脂肪酸(FFA)などよりなりますが、このうち臨床的にはコレステロール、リン脂質、トリアシルグリセロール、FFAなどが重要です。
したがって、臨床的な立場からは高脂血症は、高コレステロール血症、高リン脂質血症、高トリアシルグリセロール(ないし高中性脂肪血症、高遊離脂肪酸血症のごとく分類されます。
しかし一般的には、FFAのみが増加しているときには高脂血症とはよばないことが多く、また高遊離脂肪酸血症という名称も余り使用されていません。
一方、血漿脂質は、FFA以外はすべてリポタンパクの形で血漿中に存在しているので、高脂血症は高リポタンパク血症および狭義の高脂血症の二つの立場から観察されています。
血漿リポタンパクは普通、カイロマイクロン、超低比重リポタンパク(VLDL)あるいはpre-βリポタンパク、低比重リポタンパク(LDL)あるいはβリポタンパク、高比重リポタンパク(HDL)あるいはαリポタンパクの四つの、いわゆる主要リポタンパクに分類して観察されるので、高リポタンパク血症の立場からは、高カイロマイクロン血症、高VLDL血症ないし、高pre-βリポタンパク血症、高LDL血症ないし高βリポタンパク血症、高HDL血症ないし高αリポタンパク血症に分類されます。
しかし高リポタンパク血症は、WHOが多少改良した分類法が世界的に広く用いられています。
高脂血症は原発性ないし1次性と続発性ないし2次性とに分類されます。
原発性とは続発性でないものすべてをいい、続発性とは、たとえばネフローゼ症候群や甲状腺機能低下症などのごとき明らかな疾患に伴ってみられる高脂血症で、原疾患の治癒とともに高脂血症も治癒するものです。
したがって現在原発性と考えられているものでも、原因の解明とともに続発性となるものもあります。
原発性高脂血症はさらに家族性と散発性とに分類され、家族性は遺伝性と非遺伝性とに分類されます。
環境因子による場合もあるので家族性がすべて遺伝性とは限りません。
WHO分類は表現型(pheno-type)による分類法とよばれています。
これに対して、後に述べる遺伝型(genotype)による分類法があります。
表現型による分類法は原発性、続発性、遺伝性、非遺伝性のいずれの高脂血症の分類にも用いうる便利さがありますが、同一人の型が(したがって分類が)ときによって変動するという問題があります。
WHOの分類法について説明し、次に遺伝型による分類を記載します。
〔高脂血症のWHO分類〕
この分類法では、高リポタンパク血症をⅠ,Ⅱa,Ⅱb,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ型の六つに分類しています。
高リポタンパク血症Ⅰ型の定義およびリポタンパク像
14時間以上の空腹時血漿中にかなりの濃度(乳濁するほど)にカイロマイクロンが存在する場合です。
リポタンパク像では、カイロマイクロンの増加と、普通の場合はHDL(α-)およびLDL(β-リポタンパク)の減少とがみられます。
VLDL(pre-βリポタンパク)はときに多少増加しています。
科学的測定では卜リアシルグリセロールの著しい増加がみられます。
コレステロールは多少増加することもありますが、トリアシルグリセロール/コレステロール比は8:1以上であり、またコレステロール・エステル比は低下します。
高リポタンパク血症Ⅰ型の分類
高リポタンパク血症売発性Ⅰ型
未治療の糖尿病、膵炎、急性アルコール中毒症などの場合に見られることがあります。
しかし、これらの疾患ではⅠ型よりは後述のⅤ型ないⅣ型を示すことが多いです。
高リポタンパク血症原発性(家族性)Ⅰ型
この病態を表す術語として過去においては、特発性家族性高脂血症、本熊性家族性高脂血症、食餌性(肝性)脂肪停滞、停滞性高脂血症、家族性脂血症、脂肪起因性高脂血症、家族性高カイロマイクロン血症などいろいろの表現が用いられています。
症状は普通生後間もなくの乳児期から現れます。
症状としては腹痛発作が出現しますが、このために諸検査の目的で採血したさいに脂濁血に気づかれて診断されることが少なくありません。
また、しばしば発疹性黄色腫が見られます。
この黄色腫は皮膚のみならず口腔粘膜にもみられます。
腹部膨隆、肝脾肥大、網膜脂血症、脂濁血などがみられます。
脂肪制限食を与えると、3日くらいで脂濁血症の程度は著しく減少し、黄色腫は減少ないし消失し、肥大した肝牌の縮少、腹痛発作の消失などがみられます。
ときに膵炎をおこします。
遺伝形式は常染色体性劣性遺伝です。
発生機序としては、リポタンパクリパーゼ活性の低下のためにカイロマイクロンが組織に取り込まれにくくなるためと考えられています。
最近リポタンパクリパーゼの活性化因子であるapoC-Ⅱの先天的欠損のために同様な高脂血症をおこした症例が報告されています。
高リポタンパク血症Ⅰ型の治療
食事療法の原則は脂肪制限(1日20~25g以下)です。
MCT(中鎖脂肪)は使用できます。
高リポタンパク血症Ⅱ型の定義およびリポタンパク像
正常のLDL(βリポタンパク)が異常に増加した状態です。
Ⅱa型とⅡb型とに分類されます。
Ⅱa型はLDL(βのみが増加している場合、VLDL(pre-β)は正常で、Ⅱb型はLDL(β)とともにVLDL(pre-β)が増加している場合です。
家族性のものは従来本態性家族性高コレステロール血症とよばれていたものに相当し、ホモ接合体とヘテロ接合体とがあります。
Ⅱa,Ⅱbはいずれにも現れます。
血漿(清)はほぼ完全に透明です。
高リポタンパク血症Ⅱ型の分類
高リポタンパク血症続発性Ⅱ型
甲状腺機能低下症、閉塞性黄痘、ネフローゼ症候群、まれには骨髄腫、マクログロブリン血症、特発性高カルシウム血症などに見られることがあります。
しかし甲状腺機能低下症や閉塞性黄痘の場合以外のものではⅣ型をとることが多いです。
高リポタンパク血症原発性Ⅱ型
この病態を表す術語として過去においては、遺伝性黄色腫症、家族性黄色腫、遺伝性多発性結節性黄色臆、全身性黄色板、多発性黄色板、腱黄色腫、本態性家族性高コレステロール血症性黄色腫症、本態性家族性高コレステロール血症などいろいろの表現が用いられていました。
遺伝は常染色体性優性遺伝で、ホモ接合体もヘテロ接合体もともに臨床的に異常を示しますが、ホモ接合体のほうが重症です。
もっとも顕著な臨床症状は黄色腫の出現です。
腱黄色腫(とくにアキレス腱のものが本症に特有です)、結節性黄色腫、扇平黄色腫などが見られます。
角膜輪も特有で、若年者にこれが見られるときには診断的価値が大きいです。
Ⅱ型では一般に粥状動脈硬化症の発生率が高く、LDLは動脈硬化をおこすという立場からもっとも関係深いリポタンパクと考えられています。
発生機序としては末梢組織・細胞におけるLDLの異化の低下によるLDLの血流中への停滞が主因と考えられていますが、LDL産生の亢進による場合も完全には否定できません。
家族性Ⅱ型についてはこの末梢組織・細胞におけるLDLのカタボリズムの低下に関連してLDLレセプターの完全に欠損している場合、正常の約10%は存在していますがレセプターの機能に異常がある場合、レセプターに結合したLDLの取り込み機構に異常がある場合、レセプターの数が半減している場合などが知られています。
高リポタンパク血症Ⅱ型の治療
食事療法の原則は、コレステロールおよび飽和脂肪の制限と多価不飽和脂肪の増量です。
高リポタンパク血症Ⅲ型の定義およびリポタンパク像
カイロマイクロン、正常なVLDL(α-VLDLとよばれています)、LDL(1.019<d<1.063:LDL2)およびHDLとともに、正常にはほとんど存在していないで、また、他の型の高脂血症に時に現れることはあっても恒常的には存在していない異常のリポタンパクが増加している場合です。
この異常リポタンパクのうち本症に特有なリポタンパクはβ-VLDLとよばれているリポタンパクで、α-VLDLと異なって電気泳動上はβ-リポタンパク(LDL)と同様な泳動性を示すのみならず、トリアシルグリセロールに対するコレステロールの含有量も高く、またアポタンパクの含有量も異なっています。
このβ-VLDLはカイロマイクロンの中間代謝産物(remnant)と考えられています。
このβ-VLDLとともに本症ではVLDLからLDLへの代謝の中間代謝産物と考えられています。
IDL(intermediate-density lipo-protein)が増加しています。
濾紙(またはagarose gelないしcellulose acetate)電気泳動を行うと幅広いβ帯(broad beta band)が観察されるので原発性のものは家族性(broadβ)病ともよばれています。
高リポタンパク血症Ⅲ型の分類
高リポタンパク血症続発性Ⅲ型
甲状腺機能低下症、全身性紅斑性狼瘡、糖尿病性アシドーシス、グロブリン異常症(dysglobulinemia)などに見られることがあります。
高リポタンパク血症原発性Ⅲ型
家族性(broadβ)病、家族性(floatingβ)病ともよばれています。
血漿コレステロールと卜リアシルグリセロールの上昇が見られますが、食餌の内容や摂取総エネルギーの変化に対してひじょうによく反応し、コレステロールもトリアシルグリセロールも著しく動揺します。
高脂肪食を与えると早朝空腹時血漿にカイロマイクロンないし(remnant)が増加して出現してきます。
角膜輪や種々の黄色腫も見られますが、とくに手掌の黄色腫は特有です。
高尿酸血症や耐糖能異常がしばしば見られる動脈硬化症の発生率が高く、冠動脈のみでなく末梢血管にも閉塞性の変化が見られます。
常染色体性劣性遺伝です。
発生機序はまだ解明されていません。
高リポタンパク血症Ⅲ型の治療
食事療法がもっともたいせつで、しかも有効でです。
エネルギー制限、コレステロール制限、脂肪は摂取総エネルギーの40~50%とし、多価不飽和脂肪を主とします。
高リポタンパク血症Ⅳ型の定義およびリポタンパク像
VLDL(pre-β-リポタンパク)が増加し、HDL(α-リポタンパク)は減少し、LDL(β-リポタンパク)はVLDLの増加の程度によって正常ないし減少しますが、減少する場合が多いです。
血漿では主としてトリアシルグリセロールが増加しますが、コレステロールも、卜リアシルグリセロール5mgにつき約1mgの割で増加します。
高リポタンパク血症Ⅳ型の分類
高リポタンパク血症続発性Ⅳ型
糖尿病、膵炎、アルコール過剰摂取、Von Gierke病(糖原蓄積症Ⅰ型)、特発性高カルシウム血症、甲状線機能低下症、ネフローゼ症候群、グロブリン異常症(dysglobulinemia)、エストロジェン使用ないし経口避妊薬服用、汎下垂体機能低下症、痛風、Niemann-Pick病、Gaucher病、lipodystrophia、Werner症候群、Weber-Christian病などの場合に見られます。
高リポタンパク血症原発性Ⅳ型
高リポタンパク血症のうちではⅡ型についで多い型です。
重症のⅣ裂では、発疹性黄色腫、網膜脂血症、骨髄およびその他の網内皮系組織中の泡沫細胞、原因不明の腹痛発作、ときに膵炎、高尿酸血症、耐糖能低下などが見られます。
動脈硬化症も促進されます。
高リポタンパク血症Ⅳ型の発生機序
多因子の関与が考えられています。
すなわち、遊離胎肪酸の増加や高炭水化物食摂取などのために肝で過剰の卜リアシルグリセロールが合成され、そのために過剰のVLDLが肝から放出される機構や、リポタンパクリパーゼ活性の低下などのためにVLDLの異化の減少する機構などがあげられています。
高リポタンパク血症Ⅳ型の治療
食事療法がたいせつで、エネルギー制限による体重のコントロール、過剰の炭水化物食(とくに単純糖質)摂取の制限、摂取総エネルギーの45~50%は脂肪、とくに多価不飽和脂肪・低コレステロール食を与えます。
高リポタンパク血症Ⅴ型の定義およびリポタンパク像
内因性および外因性高脂血症の合併したもので、したがってカイロマイクロンとVLDL(pre-βリポタンパク)の増加が見られます。
血漿コレステロールと卜リアシルグリセロールの増加が見られます。
高リポタンパク血症Ⅴ型の分類
高リポタンパク血症続発性Ⅴ型
インスリン欠之性糖尿病、アルコール性高脂血症、経口避妊薬摂取、膵炎、ネフローゼ症候群、von Gierke病などで見られます。
高リポタンパク血症原発性Ⅴ型
家族性高pre-βおよび高カイロマイクロン血症、家族性混合型高脂血症ともよばれています。
腹痛発作がもっとも多く見られ、膵炎もしばしばおこります。
発疹性黄色腫、網膜脂血症、骨髄中の泡沫細胞、肝脾肥大などもしばしば見られます。
約40%に高尿酸血症がみられ、耐糖能低下はほとんどの症例に見られます。
リポタンパクリパーゼは続発性のものでは低いことが多いが、原発性のものでは少数のものに低いにすぎません。
高リポタンパク血症Ⅴ型の発生機序
続発性Ⅴ型の成因は大部分リポタンパクリパーゼ活性の低下によると考えられています。
原発性Ⅴ型については不明で、Ⅳ型と同様に多因子の関与が考えられています。
高リポタンパク血症Ⅴ型の治療
食事療法が中心で、エネルギー制限による標準体重の維持がもっともたいせつです。
高タンパク食とし、脂肪と炭水化物とはバランスのとれたものとします。
アルコールは禁止します。
〔高脂血症の遺伝型による分類〕
いろいろの分類法のうち現在もっとも広く使用されているのは、まず単一遺伝子性(mono-genic)と多遺伝子性(polygenic)と散発性(spo-radic)に分類し、monogenicのものはさらに、家族性高コレステロール血症、家族性高トリアシルグリセロール血症、連合高脂血症(combined hyperlipidemia、高コレステロール血症と高トリアシルグリセロール血症との合併)の三つに分類されています。
polygenicのものは高コレステロール血症で、sporadicのものは遺伝とは関係はないですが、表現型としては高トリアシルグリセロール血症です。
このうち連合高脂血症はとくに動脈硬化性心疾患との関連が深いことで注目されています。
先に述べました、遺伝型による分類とWHOの表現型による分類とは、ある程度は関連が見られますが、1対1の関連にはないです。
以上の分類法ではいずれでもHDLについてはまったく考慮されていません。
しかしHDLが増加している家系が知られており、それらの家系では動脈硬化性心疾患の発生率が低く、全般的に長命であることから、長寿症候群(longevity syndrome)として注目されています。
また、閉塞性黄痘時に見られます。
LP-Xとよばれる特種なリポタンパクの増加による高脂血症や、家族性LCAT(レシチン・コレステロール・アシルトランスフェラーゼ)欠損症に見られる特有な高脂血症なども、上述のいずれの分類法でも分類されない特種の高脂血症です。
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